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Vol.16 (1995/9[187])

<外国情報>
劇症型A群レンサ球菌感染症サーベイランス−英国


 1994年初め,英国グロスターシャで劇症型A群レンサ球菌感染症が多発した。当局はその実態を把握するため全英を対象に,患者の臨床症状および分離菌の型別を組み込んだサーベイランスを開始した。期間は1994年7月1日〜1996年6月30日で,アンケートの取りまとめおよび分離菌の型別はPHLSのSDRU(溶連菌・ジフテリアレファレンスユニット)が担当する。本報告は1994年7月1日〜12月31日までのまとめである。劇症型A群レンサ球菌感染症から検出されSDRUに送付された305株はすべてペニシリン感受性(MIC≦0.06mg/l)で,14%がエリスロマイシン耐性(MIC>0.5mg/l)であった。送付されたアンケート246のうち,劇症型A群レンサ球菌感染症と確定されたのは216例(男103,女113)であった。死亡は39例(18%)で幼児と高齢者に多く,M1,M3,M4,M12型が多く検出された。臨床症状では菌血症が最も多く157例で,M1(16例),M3(33例),R28(25例)等が検出された。また組織壊死22例(死亡5),STSS10例,髄膜炎5例,敗血症性関節炎15例等からもM1,M3型の検出が多かった。その他ICU入院35名,播種性血管内血液凝固15名,敗血症性ショック46名,皮膚表層の病変99名が報告されている。

(CDSC,CDR,5,No.10,43&No.26,123,1995)






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