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1995年7月28日,東シドニー保健局は1人の入院患者がコレラに罹患していることを確認した。患者は34歳の女性で,インドネシアで3週間の休暇を過ごしジャカルタ,バリ,ロンボクを訪れた。その間5つ星のホテルに宿泊し,ホテルのレストランあるいは旅行者用レストランで食事をした。患者は7月23日ロンボク島で水様性下痢を発症,翌日飛行機でインドネシアを離れ,25日朝オーストラリアに帰国した。帰国後も激しい下痢が続いたため翌26日受診,27日に嘔吐など症状が悪化したため28日に疑似コレラで入院した。その後便培養でV.cholerae O1,エルトール小川が分離された。輸液とドキシサイクリンの投与で治癒した。同行した夫と接触者には抗生剤の予防投与がなされた。
オーストラリアでは,1995年にはこれまで4例のコレラ患者が確認されている。患者はすべて女性,年齢は35〜49歳である。今回の患者を含めて3名がバリ島で,1名がクウェートで罹患したと推定された。なお,1994年のコレラ発生数は3,1993年6,1992年3,1991年0であった。
(Australia CDI,19,No.18,448,1995)
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