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Vol.16 (1995/11[189])

<外国情報>
ボスニア帰還兵の腎症候性出血熱(HFRS)−英国


 ボスニア国連派遣軍の英国兵士が急性熱病のため帰還し,ロンドンの病院に入院,入院中に呼吸器および腎機能低下を起こした。血清をCAMRに送付,ハンタウイルスに対する抗体が高かったことからHFRSと診断された。ボスニアの国連や救援機関に働く英国人には他に感染例はない。ザグレブにあるWHOの健康監視当局はボスニアの地方部隊や市民に齧歯類媒介性の疾患があることを報告している。今年はレプトスピラ症約500,ハンタウイルスによるHFRS250,野兎病150例が報告されている。レプトスピラ症は齧歯類の尿(しばしば水中),ハンタウイルスは齧歯類の排泄物のエアゾール,野兎病は感染動物との接触,食物,水から感染する。ボスニアでの人体感染例は内戦前からあったが,内戦中に齧歯類が増えたためヒトへの感染の危険が高まった。旧ユーゴスラビア,特にボスニアから帰国した兵士および救援隊員で不明熱に罹っている場合,これらの病気に感染している可能性がある。ハンタウイルス感染の治療は困難で,診断は抗体測定のみである。

(CDSC,CDR,5,No.40,193,1995)






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