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Vol.16 (1995/11[189])

<外国情報>
大腸菌O111:NMによる溶血性尿毒症症候群(HUS)の地域流行,1995−南オーストラリア


 1995年1月4日〜2月20日,南オーストラリアで23事例のHUSが発生した。予備調査の結果,原因はある工場で製造された未加熟のセミドライソーセージ摂食による感染であることが示唆された。

 HUS患者23名(うち男性14名)の平均年齢は4歳(4カ月〜12歳),19名はアデレード市,4名はその近郊在住。16名(70%)が透析を受け,4歳女児は死亡した。22名の患者はHUSと診断される2週間前に下痢を起こし,うち16名は血性下痢であった。発症前8日以内に16名は問題のソーセージを摂食し,他の3名は家族がこの製品を保存していたものの,患者がこれを食べたかどうかは不明であった。23名の患者糞便についてPCRで志賀毒素様毒素(SLT)TおよびU遺伝子の検査をしたところ,20検体から両遺伝子が検出され,1検体はSLT-Uのみが陽性,残る2検体は陰性であった。16名の患者糞便から大腸菌O111:NMが分離された。

 9名の患者宅から採取したソーセージ8/10検体がPCRでSLT-T&U陽性,うち4検体から大腸菌O111:NMが分離された。HUSを併発しなかった下痢患者宅および小売店から採取した同一工場製造のソーセージ18/47がPCR陽性,3検体から同菌が分離された。

(CDC,MMWR,44,No.29,550,1995)






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