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1994年12月27日〜29日の間に,ウィスコンシン週ドッジ郡で下痢と腹部痙攣症状を呈した17名の急性胃腸炎患者が確認され,そのうちの少なくとも14名の患者は発症前72時間に生の牛挽肉をそのまま,あるいはタマネギとハーブを混ぜて摂食していた。患者11名の糞便中7検体から酒石酸陰性のSalmonella Typhimuriumが分離された。
その後の調査から,真性患者107名および疑似患者51名が確認され,うち17名(16%)が入院した。主症状は下痢(98%),腹部痙攣(88%),悪寒(77%),発熱(65%),吐気(60%),血便(43%)であった。患者の年齢分布は2〜90歳で,62%は男性であった。患者40名中35名(88%)が12月22日〜1月4日の間に生の牛挽肉を摂食し,うち34名は1軒の肉屋から牛肉を購入していた。患者宅に残っていた肉屋から購入した6検体の生牛挽肉のすべてから酒石酸陰性のS. Typhimuriumが分離された。肉屋は12月21日〜1月4日の間に約35頭分の牛肉を3軒の異なる卸業者から入荷し,挽肉にしていたが,売れ残りは毎日廃棄されており,翌日に販売されることはなかった。肉屋の牛挽肉を製造する場所や肉切り装置から得られた20検体の培養検査からはサルモネラは分離されなかった。全従業員5名の検便で1名から酒石酸陰性のS. Typhimuriumが検出されたが,この人は無症状であり,患者発生期間中この店の牛挽肉を摂食していた。
(CDC,MMWR,44,No.49,905,1995)
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