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1995年6月までに米国では,男性と性的交渉を持つ男性薬物静注者(MSM IDUs)の間で31,024例のAIDSが報告されている。これは全AIDS症例の7%,薬物静注者の21%に相当する。MSM IDUsの特徴とリスク行為は明らかでない。HIV感染の多くのリスクファクターを持つこれら男性群について,より理解するため1991年2月〜1994年6月に3つの地域(ダラス,デンバー,ロングビーチ)で調査した。
薬物使用頻度の高い地域近隣で,男性薬物使用者のインタビューが行われた。1回目は街頭で最近のHIV感染リスク行為(この60日間の注射針の共有,またはこの30日間の経膣あるいは経肛門性交)についてスクリーニングインタビューを行い,リスクのある人物に対して2回目のインタビューが行われた。
1,820名中1,697名(93%)の性的に活発な男性薬物静注者が2回目のインタビューを受けた。このうち297名(18%)がこの30日間に1人以上の男性性的パートナーを持っていた。各都市によってMSM IDUsのパーセントは異なる(デンバー28%,ダラス22%,ロングビーチ10%)。MSM IDUsの60%近くは両性愛者であると自己認識し,33%は異性愛者,5%が同性愛者,2%が未決定であった。65%が黒人で,75%が30歳以上。この30日間の性的パートナー数の平均は3.8名,89%の人は1ないし,それ以上(平均4.5名)の女性パートナーを報告している。MSM IDUsのうち98%は今までに経膣性交を行ったことがあり,90%がこの30日間にメインおよび他のパートナーと経膣性交を行った。女性のメインパートナーを持つ人の12%がコンドームを使用していた。一方,メインパートナーでない人との性交でのコンドーム使用は13%である。また,95%は今までに肛門性交を行ったことがあり,71%が男性および女性両方と肛門性交を行ったことがある。この30日間に肛門性交を行ったのは84%で,この際コンドームを使用したのは男性パートナーとは23%,女性メインパートナーとは20%であった。メインパートナー以外とは27%がコンドームを使用していた。
この60日間に292名中250名(86%)が不法な薬物を調製したり,注射したりするため注射針や他の付属器を共有していた。
(CDC,MMWR,44,No.41,767,1995)
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