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HIV感染者は免疫低下にともない結核を発症することが多く,肺外結核,播種性結核,肺結核はAIDS診断基準に加えられている。フロリダ州のHealth and Rehabilitative Service(HRS)では,別々に行われている結核とAIDSの登録記録をつきあわせ,結核とAIDS患者のサーベイランスをより完全なものとする試みを行った。
HRSは1993年12月22日までに登録された1984年からの結核報告全16,559例と,1981年から報告されたAIDS全36,002例を照合した。その結果,AIDSと結核両方に登録された患者は2,567例であった。このうち結核登録に報告され,AIDS登録でも結核と記録されていた例は2,137例,結核登録されていながらAIDS登録には結核と記載されていなかった例が430例あった。
一方,AIDS登録36,002例中結核が報告されていたのは2,816例(7.8%)であった。AIDS登録では結核と記載されていたが,結核登録には報告されていなかった例が679例あり,うち78例は新たに結核と確認され登録された。298例はCDCの結核診断基準を満たさず,90例は培養で他のMycobacteria感染を示唆していた。これらの修正を加えると,AIDS登録中の結核感染例は4.5%に減少した。以上の結果は,医療従事者,公衆衛生担当者の結核診断能力の向上と,結核,AIDSそれぞれのサーベイランス担当者間の協力が必要であることを示唆している。
(CDC,MMWR,45,No.2,38,1996)
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