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米国の公衆衛生局(PHS)はこれまで国の血液安全対策として,供血者の厳格な選択とHIV抗体スクリーニングテストを含む多面的なアプローチを勧告してきた。米国における献血のHIV抗体スクリーニングは,HIV-1に対しては1985年から,HIV-2に対しては1992年からそれぞれ実施されている。しかし現行のスクリーニングテストでは,HIVに感染していながら検出されない者が(米国では)献血者45万人〜66万人に1人いると推定される。安全な血液供給を維持することは公衆衛生上の優先事項であることから,食品薬品管理局(FDA)はすべての献血・血漿について,HIV-1p24抗原試験法が認可され,3カ月以内にp24抗原スクリーニングを実施するよう1995年8月に勧告した。この抗原スクリーニング法が実施されれば従来の抗体スクリーニング法では検出されないHIV感染者の数を年間約25%減らすことができると期待される。
しかしながら,このp24抗原試験は,血液センター以外で患者のHIV感染診断法としてルーチン化することは勧められない。その理由は,p24抗原が検出されてから平均6日間でHIV抗体が検出されると推定されており,また必ずしもすべての感染者が感染早期に検出可能レベルのp24抗原をもっているとは限らないからである。18カ月以上の小人と大人のHIV感染診断検査は,常にFDAが認可したHIV-1抗体検査で行わなければならず,決してp24抗原検査だけで診断してはならない。
この報告書は,a)p24抗原アッセイ結果の解釈,b)p24抗原試験結果が陽性あるいは不確定を示した供血者のカウンセリングと追跡調査,c)血液銀行以外の場におけるp24抗原試験の使用,等についてのPHS指針を提供するものである。
(CDC,MMWR,45,No.RR-2,1996)
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