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Vol.17 (1996/8[198])

<資料>
「腸管出血性大腸菌に関する研究」の概要


 1.目的等:腸管出血性大腸菌(いわゆる「病原性大腸菌O157」)による感染の続発に対応し,原因の究明,発生予防および被害拡大防止のため,緊急に「腸管出血性大腸菌に関する研究班」を設置し,調査研究をおこなう。

 2.研究の概要および組織:山崎修道国立予防衛生研究所長を総合班長,渡辺治雄同細菌部長を総合班長代理とし,以下の4つの調査研究班を組織し,調査研究を行う。(○印は班長)

 (1) 病原菌のDNAパターンの分析に関する調査研究班:これまでわが国で検出され,現在地方衛生研究所等に保有されている腸管出血性大腸菌のDNA切断パターンを分析し,感染ルートの究明に資するとともに本菌の疫学的分布パターンを明らかにする。

(委員)

 伊藤  武 東京都立衛生研究所微生物部長

 島田 俊雄 国立予防衛生研究所細菌部腸管系細菌室長

 竹田 多恵 国立小児病院感染症研究部長

 田村 和満 国立予防衛生研究所細菌部外来性細菌室長

○渡辺 治雄 国立予防衛生研究所細菌部長

 (2) 原因の疫学的究明に関する調査研究班:今回の一連の食中毒事件の原因を究明するため,喫食した食品の流通経路の解明等を行う。また,検食の保存期間や保存方法等についても調査研究する。

(委員)

○井上  榮 国立予防衛生研究所感染症疫学部長

 大月 邦夫 群馬県衛生環境研究所長,地方衛生研究所協議会長

 工藤 泰雄 前東京都立衛生研究所微生物部長

 島田 俊雄 国立予防衛生研究所細菌部腸管系細菌室長

 成瀬 道彦 神奈川県衛生部長,全国衛生部長会長

 (3) 食肉の汚染実態に関する調査研究班:今後の予防対策に資するため,国産食肉,輸入食肉の腸管出血性大腸菌による汚染実態を調査研究する。

(委員)

 片岡 辰雄 東京都立芝浦食肉衛生検査所長

 小沼 徳啓 国立衛生試験所衛生微生物部第二室長

○品川 邦汎 岩手大学農学部獣医学科教授

 仁科 博隆 静岡県衛生環境センター副所長

 (4) 診断治療に関する調査研究班:診断治療のガイドラインや患者の治癒判定条件等に関する調査研究を行う。

(委員)

 伊藤  拓 国立小児病院副院長

 小池麒一郎 (社)日本医師会常任理事

 城  宏輔 埼玉県立小児医療センター副院長

○竹田 美文 国立国際医療センター研究所長

 中村 明子 東京大学医学部客員研究員

 村田三紗子 東京都日本橋保健所長

 3.その他:本研究班の研究成果については,成果の上がったものから速やかに食品衛生調査会に報告し,対策等について審議する。






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