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Vol.17 (1996/10[200])

<外国情報>
Cyclospora cayetanensis 感染者発生,1996−米国


 Cyanobacterium様小体と名付けられていたCyclospora cayetanensisは最近コクシジウムに分類された(Ortega et al, 1993)。本虫の人における最初の症例は1977年に報告された(Ashford, 1979)。米国では1996年以前には3つの集団発生が報告されているだけである(Huang et al, 1995;Carter et al, 1996;Koumans et al, 1996)。

 5月23日にサウスカロライナ州のチャールストン近くの食堂で昼食をとった人達で下痢症が報告された。64人にインタビューが行われ,うち37人(58%)がCyclosporaに感染していた。潜伏期は平均7.5(1〜23)日であった。感染源は木イチゴ,イチゴ,ポテトサラダが考えられていたが,昼食をとった95名がイチゴを食べていた。

 1996年5月および6月にCyclosporaの感染者は少なくとも米国10州から報告されており,数百人がCDCで確認されている。その多くは免疫不全の成人である。これら患者発生では生鮮果物(木イチゴ等)摂食との関連が考えられている。Cyclosporaは糞口伝播されるが,排泄物中のオーシストは感染可能になるまで平均1週間を要するので,人から人への直接感染はない。症状は頻回の水様性下痢と消化器症状が長く見られる。Cyclosporaのオーシストは直径8〜10μm,Cryptosporidiumの2倍である。治療は大人でトリメトプリム160mg(子供は5mg/kg)+サルファメトキサゾール800mg(子供は25mg/kg)の1日2回,7日間投与。

(CDC,MMWR,45,No.25,549,1996)






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