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Vol.17 (1996/11[201])

<国内情報>
インフルエンザウイルスの分離−仙台市


 1996年は非流行期に入っても日本各地でインフルエンザウイルスの分離報告が相次いでおり,国立仙台病院ウイルスセンターでも5〜6月に山形,5〜7月に仙台でインフルエンザA香港(H3N2)を分離した。その後分離が途絶えたが,8月末より臨床的にも典型的なインフルエンザ様症状を示した仙台の3症例からウイルスを分離したので報告する。

 患者は40代男性で,9月11日に東京,12日に大阪に出張し帰仙した。14日夜,突然悪寒に襲われ,39℃の発熱を生じた。看病していた妻(30代女性)も16日に39℃に発熱し,咳,鼻水,咽頭痛,背部痛などの症状が約1週間継続した。また,14日夕,発症前に一緒にパーティーに参加していた7名全員が2〜3日以内に同様の症状を示した。

 インフルエンザウイルスは,感染源となったと思われる男性とその妻の咽頭ぬぐい液(9月17日採取)からMDCK細胞を用いて分離された。予研の抗血清を用いたHI試験でA(H3N2)と同定された。

 なお,8月21日にインフルエンザ様の全身症状を示した20代の女性からインフルエンザA(H1N1)が分離されている。



国立仙台病院ウイルスセンター 水田克巳
仙台市庄司内科 庄司 真
新潟大学公衆衛生学 鈴木 宏





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