SRSV感染の集団発生報告数は1992年以来増加している。CDSCが受けたSRSV検出報告も近年急増しており，1992〜1994年の報告の25％が集団発生例であった。実験室報告の増加はSRSVが胃腸炎の原因であることが認識され，電顕検索でより多くの検体が検査されたためであろう。病原体が同定されない集団発生の数が増加したが，その疫学的特徴はSRSVsが原因であることを強く示唆していた。SRSV感染集団発生の多くは病院や老人ホームなどの施設で起こっている。感染対策にはスタッフの適切な訓練，簡単なサーベイランスの実行，容易に専門家の助言を得られる体制が必要である。

（CDSC，CDR，6，No.10，83，1996）