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CDCに報告されるサルモネラの増加分はSalmonella Enteritidis(SE)により説明することができる。1976〜1994年の間に報告されたサルモネラのうちSEの割合は5%から26%に増加した。1985〜1995年の間に582件のSE集団食中毒が発生し,24,058人の患者が出て2,290人が入院し,70人の死者が出ている。1994〜95年に卵を食することで発生したと考えられる4つのSE食中毒事例を以下に紹介する。
ワシントンD.C.:1994年8月にホテルで食事をした56名が下痢症状を呈し,27名からSEが検出され,ファージ型8であった。ペンシルバニア産の卵が原因食品であろうと推定された。
インディアナ州:1995年6月に70名の老人ホーム関係者が下痢症状を呈し,うち39名からSEが検出された。ファージ型は13aで3名の死者がでている。卵焼きが原因食品として疑われている。
ニューヨーク州Greenport:1995年6月,結婚披露宴に参列した76名が胃腸炎の症状を訴え11名からSEが分離された。サラダのドレッシングに使われた卵が汚染していたものと考えられている。
ニューヨーク市:1995年7月,生卵を入れたホームメードの飲物で3名が下痢,嘔吐,腹痛の症状を示し,患者および残っていた卵からファージ型13aのSEが分離された。
(CDC,MMWR,45,No.34,737,1996)
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