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Vol.1 (1980/7[005])

<外国情報>
米国ルイジアナ州Shreveportに発生したペニシリナーゼ産生リン菌による流行


〔要約〕 本年1月22日から4月29日にかけて,ペニシリナーゼ産生リン菌(PPNG)による28の感染例がルイジアナ州Shreveportにおいて報告された。最初の株は34才の男子から分離された。この患者は持続する尿道炎の治療のため,ペニシリン系抗生物質とテトラサイクリンを繰り返し投与されたが菌は消失せず,さいごにスペクチノマイシンの筋注によって菌陰性化したものである。

 患者と性交渉のあったもののうちから2名のPPNG患者が発見されるに及んで,州衛生当局は強力な対応策をとり,すべての患者についてききこみ調査で接触者をさがし,また州中央衛生研究所の地区検査所は,分離株についてまずディスクにより耐性スクリーニングを実施し,耐性株についてはさらにβ−ラクタメイス産生を検査した。中央研究所はその確認試験を行なった。

 以上の調査によって,計28名の患者はおそらく相互には関係のない8つの感染連鎖をもって発生分布したと推定された。外国から持ちこまれたとする直接的な証明は得られず,また,4月29日以降に患者発生はない。

 CDCはShreveportでの分離株20について,12種類の抗生物質に対する感受性パターンをしらべ,極東地域でのPPNG分離株と全く同一であることを認めた。

 米国では1976年3月に最初のPPNGが分離されてから本年4月までに,計1022例がCDCに報告されている。本年1月から4月までの期間には186例で,昨年同期の66.1%増となっている。これはShreveportにおけるような国内伝播と,海外からの持続的なもちこみによるものであろう。

 なおCDCは治療中における頻繁な培養試験とペニシリナーゼ産生試験の重要性を強調しておりスペクチノマイシンの使用は,ペニシリン,テトラサイクリン,アンピシリンによる最初の治療が効果のない場合にかぎるようすすめている。

(CDC,MMWR,29,241,1980)






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