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今回試みに感染症サーベイランスの中央集計1980年1〜5月分を揚げてみた。各都道府県で自然発生的に行われているので,対象疾患の種類,報告の集め方,集計の母体等は不統一であり,4,5月分の報告は全部は集まっていない。したがってこの数字はあくまで一つの参考にすぎないが,この様な事情を考慮に入れれば,全体の趨勢を掴むことはできよう。
インフルエンザの流行は,明らかに2〜3月に山があり,これは別に記したウイルス分離成績によれば,H1N1およびH3N2の山は2月にあり,インフルエンザBウイルスが,3-4月に分離されていることとよく符合する。
ウイルス胃腸炎の流行のピークも2月であった。これに対し,ヘルパンギーナや手足口病は報告機関が少ないのに実数として増加しているので流行期に入ったとみられる。同じような意味で流行性角結膜炎の多発が注目される。
将来はこのようなデータと検査情報のドッキングを図るのが理想である。
甲野 礼作
表.感染症サーベイランス中央集計
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