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シェラレオネにおけるラッサ熱蔓延率の予備的調査が,ランダム血清サンプルの研究に基き行われた。これに引き続き3つの村で無作為抽出した家族全員を2年間にわたり監視し,家族内に起った発熱患者は検査の為,病院に行くことが奨励された。ラッサ熱は今や現地でも有名となったので実際上三村の発熱患者はすべて受診したとみられる。
ある地方では人口の40%がラッサ熱抗体を保有していた。北部シェラレオネと隣国ギニアの三地方でも一般人口集団に高率に抗体がみられた。
季節,年次,性及び年令には特異的パターンはみとめられていない。感染は乳児に起ることがあり,授乳中の婦人の乳汁中にウイルスと抗体が検出された。入院例の致命率は約12%で,早期診断が困難の為治療が阻害されている。アトランタのCDCの予備的な研究成績は,中和抗体は2〜3月後に現われることを示唆しており,これが時としてみられる回復患者血清投与の無効例の説明になるのかもしれない。早期診断はある例では結膜塗抹標本を蛍光抗体法で染色することで成功した。Mastomys natalencis駆除計画が評価されつつある。
(WHO WER,No.27,4/Z,1980)
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