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Vol.5 (1984/2[048])

<外国情報>
エコー11(E11)とコクサッキーB3(CB3)の新生児室感染−オ−ストラリア


1982年12月12〜29日,新生児室の11名が発熱と昏睡症状を示した。患児は生後2〜18日(1名のみ60日)で,男8,女2,ほとんどが未熟児で,特別看護下にあった。髄液で細胞増加(400以下)がみられ,E11ウイルスが髄液より5例,便より1例分離され,他の1名ではE11に対し急性期に>4096の血清中和抗体が認められた。他の4例からCB3が分離(2例は髄液,2例は便および咽喉から)された。E11感染はこの期間を通して起こったが,CB3発症は21〜25日に集中した。3名は両ウイルスに連続して感染した。E11に高い抗体をもっていた患児は後にCB3を,その後E11を排出した。17人のスタッフが流行発生後すぐに発病,発熱,頭痛,はきけが平均8日続き,この1人からCB3が分離された。侵入経路は不明。E11はこの時期,当地域に流行していた。E11の抗体をもっていた患児の母親は,出産2週前に,上気道疾患にかかり,頭痛,羞光,頸部強直が8日続いていた。E11に対する高い中和抗体価が5人の母親(2人は患児の,3人は出産後調べたコントロール)と,無症状の1看護婦に検出された。

 流行阻止のためにとられた措置は,特別看護室の閉鎖,患児および接触児の集中看護,新入室者の24時間隔離,訪問者の制限などである。手洗の励行,個別着衣,一般衛生措置が強調された。母児はできるだけ早く退院させ,全区画が空にされ,清掃ののち再開された。

(WHO,WER,58,36,278,1983)






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