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1984年5月までに1983年分として世界合計で,64,061例がWHOに報告された(1982年は54,856)。報告したのは33国(1982年は37国)だが,他の地域からの感染源情報からみて,これ以外の数ヶ国にも感染がおこっていると推定される。新たに報告された国はなかった。
アフリカからは36,722例(1982年は37,427)が報告された。報告数は正確とはいえないが,南アとザイールはめだって低下したようだ。これに対し,ガーナとモザンビークでは増加が報告された。合計13国が発生を報告(1982年は16),これ以外の5国でも感染が続いているとみられる。タンザニアからの報告によれば,治療にテトラサイクリンの使用が減少したことがテトラサイクリン耐性株の分離数の低下をもたらしたという。
アジアでは報告数は27,005(1982年は15,191)に増加,これはインド,インドネシア,マレーシア,ベトナムで増加した結果である。報告したのは11国(1982年は12国)であった。
去年のバングラディシュにおける古典的V. cholerae O1の再出現の報告ののち,この生物型はこの国で分離され続けているが,すべての例で実験室検査が行われてはいないので,古典型のエルトール型に対する正確な割合は不明である。
ヨーロッパではまた4国が輸入例11を報告(1982年は20)。
太平洋の島のTrust territoryでは6月21日に撲滅を宣言したのち,7月に再発生があり,1983年の発生は合計314例が報告された(1982年は2,214)。オーストラリアQueenslandで3例の国内発生があったが,WHOは国際旅行上重要ではないと判断している。
1963〜1982年にWHOに報告されたコレラ患者の全例についての表がこの期間中のコレラ動向の地図と短いレビューと共にWorld Health Statistics Annual,787〜790ペ−ジ,1983に発表されている。
(WHO,WER,59,19,141,1984)
Table 1.Cases of Cholera Notified to WHO, 1983
Table 2.Global Cholera Situation, 1977−1983
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