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Vol.17 (1996/2[192])

<外国情報>
メジナ虫症撲滅へ向けての前進


 1980年10月,メジナ虫症の撲滅に対する計画が立てられた。1991年に世界保健会議はメジナ虫症を1995年の終りまでに撲滅させる決議を採択した(本月報Vol.14,No.2)。本報告はこのメジナ虫症撲滅計画の初めからの進行状況の要約である。

 1986年〜1995年のメジナ虫症患者は約350万人(Warts,1987)から10万人に減った(減少率97%,図1)。1995年1〜9月の間に計89,739例の患者が報告され,これは1994年同期の131,607例から32%の減少である。流行がみられた村の数としては1992年の約23,000村から1995年約8,000村に減った。

 1995年1〜9月には19カ国からメジナ虫症の報告があった。パキスタンは1993年10月以来患者報告はなく,ケニアも1994年4月以来土着の患者報告は見られない。カメルーン(1995年に2例報告)やインド(同59例),セネガル(同33例)においても感染が遮断されている。チャドやエチオピア,モーリタニア,イエメンでは1995年は800例以下の報告になった。メジナ虫症患者はニジェール(12,650例),ナイジェリア(12,581例),スーダン(36,064例)に多く残っており,これらの国で全報告の68%を占めていた。

 流行しているすべての国ではヘルスワーカー(Village-based health workers)が感染者を発見し,虫体の脱出する24時間以内に予防対策を行うという「患者封じ込め」戦略(Hopkins et al, 1991;Kappus et al, 1991)が1995年9月まで行われた。

(CDC,MMWR,44,No.47,875,1995)



FIGURE.Reported cases of dracuncullasis, by year―worldwide, 1986, 1989-1994 and 1995





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