国立感染症研究所 感染症情報センター
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2001年掲載分(3)

オホーツク麻疹予防特別対策事業について [投稿]
ノーウォーク様ウィルス(NLV)の感染源と感染経路
炭疽症に関する緊急対応情報
感染症発生動向調査事業年報CD-ROM版について [お知らせ]
病原体の遺伝子解析について
バイオテロリズムに関する情報について
後天性免疫不全症候群の報告区分について
アメーバ性肝膿瘍の届け出について
C型肝炎ウイルス(HCV)と食器
大人の麻疹ワクチン接種について



Q10 投稿:オホーツク麻疹予防特別対策事業について(北海道網走保健所 山口亮) [2001年第50週]


 オホーツク3 次医療圏は、北海道の北部のオホーツク海に面する地域で、圏域内には北見、紋別、網走の3保健所を有する。面積は約1万km2で、愛媛県の約2倍の広さである。人口は約34万人で、3市20町3村で構成されている。
 北海道も全国と同様の傾向で、平成12年12月から散発的に麻疹の発生があり、発生のピークをやや超えた2001年第27週(7月2日〜8日)でも定点当たり0.66(全国は0.30)で、麻疹流行警報が北海道の7保健所で発生している(全国では56保健所)。また、北海道では1996年に、定点当たり報告数が全国と比較して約3倍の大きな麻疹の流行があった。

 こうした背景が、麻疹予防の特別対策をオホーツク3次医療圏から始めるきっかけとなった。職員からは「最初から全道規模の事業展開にすべきではないか」とか、「なぜはじめにオホーツク3次医療圏なのか」という疑問の声があったが、3保健所の所長が現状と過去の経緯を職員に説明した。麻疹予防対策が保健所の本来の事業であることが、次第に職員に浸透しており、関係機関を巻き込んでの事業のスタートができそうである。実際に行う事業は、以下の5点である。(平成13年度〜14年度)

1)麻疹に関する実態の把握
 市町村におけるワクチン接種の実態(個別、集団、委託料など)と、対象者数の把握方法など。
2)住民への普及啓蒙活動
 麻疹への住民の関心度を高めるために、市町村での検診機会などを利用して、保健婦などからワクチン接種について情報提供をする。
3)ワクチン接種医療機関の拡大
 多くの市町村では接種機会が年数回であったり、市町村内の医療機関とのみ接種の契約をしているので、ワクチンを接種できる医療機関を広域化し、住民の利便性を高める。
4)臨時の全数把握調査
 医師会の協力を仰ぎ、期間を決めて全数把握ができないか、さらに、ワクチン情報(接種の有無)についても情報収集をする(医師会と折衝中)。
5)研修の実施
 保健、医療、教育関係者などを対象とした麻疹に関する研修を行い、ワクチン接種の重要性について伝達する。

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Q9: 感染性胃腸炎のなかでノーウォーク様ウィルス(NLV)の感染源は、主にカキと理解をしているのですが、2001 年第43週病原体情報(5ページ)に、保育園での集団発生からNLV が5件検出されたと書かれています。子どもが給食で生カキを食べるとは考えにくいので、どういう原因で発生したのか教えてください。 (広島県保健婦 Mさん) [2001年第46週]


●ノーウォーク様ウィルス(NLV)の感染源と感染経路
 本事例については、本号6ページに速報記事として掲載されています。
一般的にノーウォーク様ウイルス(NLV)の感染経路としては、人の糞便中に排泄されたウイルスがカキやその他の海産物、あるいは水道や井戸、河川湖沼、プールなどの水を介して感染する場合、調理者の手指から食品を介して感染する場合などが重要とされきましたが、他にも、手洗いをよく行わない幼児等が他の幼児等に感染させる場合、吐物から感染する場合、さらには、吐物や糞便に汚染された衣類や寝具などの処理の過程で感染する場合、などが知られています。
 国内における集団発生の事例報告では、生カキが関係する事例は全体の半数以下で、大規模事例ではカキが原因とされる例は少なく、給食・仕出し弁当や宴会料理が原因食品に挙げられる一方、原因不明の事例も多くなっています。NLV を培養細胞で増やすことができないことも、原因不明となる一因です。保育園など施設内の集団発生事例で発生期間が長い場合には、人−人感染が重要であると考えられます。
 関連記事としては、当感染症情報センターのホームページで、[IASR]→[特集索引]→[食中毒・ウイルス性胃腸炎]、あるいは[IDWR]→[感染症の話]などから御覧になれます。

(国立感染症研究所感染症情報センター)

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Q8: 我々の職場には毎日たくさんの外国郵便が到着するので、郵便物を扱う人々がそれらに炭疽菌が付着している可能性を心配しています。もし不審な郵便物がきたら開けないように、粉が出てきたらその場を立ち去れとか、手を洗えなどという一般的な注意は聞くのですが、感染経路のはっきりしないケースが出て来ていることから、普段の郵便物の仕分け等で本人の自覚無しに感染する可能性があるかと思います。
 国立感染症研究所でこれら諸問題の対処に関してなんらかの情報を持っていらっしゃったら教えてもらえませんでしょうか。特に聞きたいことでは、粉が発見された場合に感染の可能性が強く疑われる人への予防的な(発症前の)抗生物質の投与が効果的であるか否か、また効果のある抗生物質はどこの病院にもあるものであるか、ないのであれば施設として確保しておく必要があるか、などです。(事業所・医師)  [2001年第44週]


●炭疽菌に関する緊急対応情報
 疑い例を含めて7例の炭疽症患者を経験したニューヨーク市では炭疽症に対する緊急対応情報を治療も含めてウェブ上で提供しています (http://www.ci.nyc.ny.us/html/doh/html/cd/anthrax.html)。

ニューヨーク在住の医師岩田健太郎さんによるその日本語訳がhttp://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/01/ny01.htm に掲載されています。また、米国疾病対策センター(the Centers for Disease Prevention and Control)ではInformation About Anthrax and Bioterrorism (http://www.cdc.gov/mmwr/indexbt.html)を公開し、具体的な治療法や現在までに検出された菌の耐性情報についても紹介しています。抗菌薬療法の第1選択はシプロフロキサシンまたはドキシサイクリンとされ、現在のところ検出された炭疽菌はこれらの薬剤に感性です。菌の暴露を受けた可能性がある症例に対しては、上記の抗菌薬のすみやかな予防投与が推奨されています。

(日本でもシプロフロキサシンなどのニューキノロン薬は一般的な医療機関に置いてある標準的な抗菌薬です。)

(国立感染症研究所感染症情報センター)

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Q7: 感染症発生動向調査事業年報CD-ROM版について [お知らせ] [2001年第41週]


 厚生労働省、国立感染症研究所感染症情報センターは「感染症発生動向調査事業年報平成11年4月〜平成12年12月(CD-ROM 版データ集)」を発行し、関係者に御利用頂いております。しかしながら最近、全数疾患の報告データの一部が反映されてないことが解りました。また、これには当初からのシステムに問題があることも解りました。反映されていない報告は合計200件ほどです。当センターとしては、今後はこの問題が解決される様、必要な予算措置に努力するとともに、次回の発行の時には、修正したデータを再度入れて配付する様にしたいと思います。関係各位の御理解をお願いします。

(国立感染症研究所 感染症情報センター) 

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Q6: 感染症の確定診断には病原体の分離が重要です。検体の採取に際しては、今までも患者さんの了解を得て行って来た処です。近年、病原体の遺伝子解析が公衆衛生上非常に重要になり、これに基づいて病原性大腸菌O157 やMRSA の感染源や感染経路を明らかにし、行政対応するようになりつつあります。
 平成12年4月「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針」が出されました。前文などからこの指針はヒト固有の遺伝子解析を対象としていると読みとれます。しかし、用語の定義を見ますと、この指針が対象とする「試料等」とは、「研究に用いる血液、組織、細胞、体液および排泄物やこれらから抽出したDNA などヒトの体の一部をいう」となっています。病原体をヒトの体の一部と見る事も可能であり、病原体を分離するために採取した便、尿、脊髄液、血液などは、文章上はズバリそのものです。
 病原体の遺伝子解析がこの指針の対象となるのかどうか、判断を迷っている状況がありますので、この点について厚生労働省としての明確な判断の提示をお願いしたいと思います。(地方衛生研究所研究員) [2001年第40週]


●病原体の遺伝子解析について

本年3月に策定された「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」は、指針の2[本指針の適用範囲]及び14 (3)[用語の定義]に記載のとおり、次のような研究を対象とします。
提供者の個体を形成する細胞に共通して存在し、その子孫に受け継がれ得るヒトゲノム及び遺伝子の構造又は機能を、試料等を用いて明らかにしようとする研究
したがって、お尋ねのように人の血液等の試料に含まれる病原体を対象とする研究は、この指針の適用を受けることはありません。

(厚生労働省大臣官房厚生科学課)

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Q5: 生物兵器によるテロ、すなわちバイオテロリズムに無関心ではいられない状況です。それに関する情報を得ようと思っていますが、ウエッブページではどんなところがあるでしょうか?(東京都 S. N. さん)[2001年第39週]


●バイオテロリズムに関する情報
 世界保健機関WHOがバイオテロリズム対策のガイドラインを発表しました。以下は Eurosurveillance Issue 39, 27 September, 2001の記事の抄訳です。
 今回の米国でのテロリズムに対応して、WHOは生物化学兵器によるテロリズム対策のガイドライン「Health Aspects of Biological and Chemical Weapons」を発表した。公衆衛生当局者は、適正なリスクアセスメントとサーベイランスの導入により、生物化学兵器による攻撃に対する周到な計画を策定すること、WHOが主催する生物化学兵器に関する協定、協議会の参加国は協力して相互援助を図ることが主な要旨であるが、詳細は以下のURLで閲覧可能である。

 ○http://www.who.int/emc/pdfs/BIOWEAPONS_FULL_TEXT2.pdf

●他にも以下のサイトにて関連の情報が閲覧可能です。
◆バイオテロリズム一般
 ○米国Centers for Disease Control and Prevention
 http://www.cdc.gov/programs/bio.htm

 ○U.S. Food and Drug Administration
 http://www.fda.gov/cber/cntrbio/cntrbio.htm

 ○Infectious Diseases Society of America
 http://www.idsociety.org/mo/adv/actions%5Fbioterror.htm

 http://www.idsociety.org/pa/ps%26p/testimony%5Fbioter3%2D25%2D99.htm

 ○Center for Civilian Biodefence Studies
 http://www.hopkins-biodefense.org/pages/events/speeches.html
 US Response to Possible Bioterrorism

 ○米国United States Army Medical Research Institute of Infectious Diseases
 http://www.usamriid.army.mil/links/bdr.htm

◆炭疽  
 ○国立感染症研究所感染症情報センター
 http://idsc.nih.go.jp/index-j.html (天然痘については、近々掲載予定)
 IDWR(感染症発生動向調査週報)→感染症の話→炭疽 1999年第46週(第33号)

 ○日本医師会 米国における同時多発テロ事件に関連して
 http://www.med.or.jp/etc/terro.html
 バイオテロリズムの脅威−生物兵器(炭疽菌)によるテロリズム−(10/12一部改訂)
 日医雑誌生涯教育シリーズ「感染症の診断・治療ガイドライン」より→炭疽(PDF)  ○厚生労働省検疫所 中近東であったこんな話!? 炭疽
 http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/page_h/h07.html

 ○動物衛生研究所九州支所 臨床細菌研究室
 http://www.sat.affrc.go.jp/saikin/saikin.htm
 役に立つかもコーナー、炭疽の診断法

 ○CDC(Centers for Disease Control and Prevention), Disease Information, Anthrax
 http://www.cdc.gov/ncidod/dbmd/diseaseinfo/anthrax_g.htm

 ○WHO WHO/EMC/ZDI/98.6
 ・Guidelines for the Surveillance and Control of Anthrax in Humans and Animals
 http://www.who.int/emc-documents/zoonoses/docs/whoemczdi986_nofigs.html

 ・RATIONALE FOR SURVEILLANCE, RECOMMENDED CASE DEFINITION その他
 http://www.who.int/emc-documents/surveillance/docs/whocdscsrisr992.html/02Anthrax.htm

◆バイオテロ関連疾患
 ○CDC(Centers for Disease Control and Prevention), Public Health Emergency Preparendness & Response
  http://www.bt.cdc.gov/
  Facts about: Anthrax, Botulism, Pneumonic Plague, Smallpox

  *******************

◆追記
 炭疽によるバイオテロリズムを想定したガイドライン「CDC Guidelines for State Health Departments, Revised October 14, 2001 」を入手しております。疑いのある郵便物を受け取った時の対応、炭疽に暴露された可能性がある人への対応、炭疽の臨床症状、可能性ある検体を扱う検査室での注意事項などが述べられています。希望者は電子メールにて木村まで(kimumiki@nih.go.jp)。[2001年第40週]
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(国立感染症研究所感染症情報センター)

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Q4先日、後天性免疫不全症候群の報告で、患者、感染者どちらにも属さない「その他」の報告がありました。感染症発生動向調査では、「その他」として入力・報告しました。当県でも3 カ月毎に、エイズ患者、感染者の数を発表していますが、「その他」をどこに入れるか、また感染者、患者ではないので、報告しないのか迷っています。エイズ動向委員会では、患者と感染者の数を発表していると思うのですが、「その他」はどのように扱えばよろしいのでしょうか。(某県感染症発生動向担当者)  [2001年第36週]


● 後天性免疫不全症候群の報告区分について
 感染症発生動向調査では、後天性免疫不全症候群の報告の際、調査項目中に「無症候性キャリア」、「AIDS」、「その他」の3区分が存在します。報告にあたっては、抗体確認検査、あるいは抗原検査で陽性であることが前提で、3区分の全てが広義のHIV 感染者に含まれるものですが、AIDS と診断した指標疾患があれば「AIDS 」、無症状であれば「無症候性キャリア」、症状はあってもAIDS と診断した指標疾患がなければ「その他」の分類となります。
 一方、厚生労働省健康局疾病対策課が主管するエイズ動向委員会では、「HIV 感染者」と「AIDS患者」の2 区分として集計、発表しています。この区分は、広義のHIV 感染者のうち、AIDS の定義に当てはまる患者のみを区分して「AIDS 患者」に分類し、他の場合は全て「HIV 感染者」(狭義の意味)に分類するものです。したがって、感染症発生動向調査における「無症候性キャリア」と「その他」は、ともにこの「HIV 感染者」に含まれると理解されます。
 今回お尋ねの件について言えば、エイズ動向委員会の区分に沿って分類すると、「HIV 感染者」という事になります。

(国立感染症研究所感染症情報センター)

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Q41999 年4 月から施行の感染症法での届け出について質問します。赤痢アメーバによる病気でも赤痢症状はなく、アメーバ性肝膿瘍だけの症例もかなりありますが、この場合には4 類感染症として届け出る必要があるでしょうか?同法では病名として「アメーバ赤痢」となっているので、アメーバ性肝膿瘍だけの場合には届け出る必要がないようにも受け取れますが…。(石川県研究者I 氏) [2001年第35週]


● アメーバ性肝膿瘍の届け出について
 当時の厚生省保健医療局結核感染症課長通知「感染症新法に基づく医師から都道府県知事等への届出のための基準について」において、アメーバ赤痢に腸管アメーバ症と腸管外アメーバ症を含めており、赤痢アメーバの検出についても便からのみならず、膿瘍液からの検出も含めています。このようなことから、アメーバ性肝膿瘍だけの場合でも届け出る必要があります。また、赤痢アメーバの直接的検出でなくても、血清抗体の上昇でも代用は可能です。

(国立感染症研究所感染症情報センター)

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Q2私は病院の勤務薬剤師です。当院ではC 型肝炎ウイルス(HCV )キャリアの患者さんが療養型病床群に多く入院しています。現在、食器の取り扱いについて問題となっています。HCV は血液感染ですから、HCV キャリア患者の食器を下膳する際に70%イソプロパノールを噴霧すれば、他の患者と同じ配膳車で下膳しても良いと思いますが、管理栄養士からは、もしも口内に傷があれば、箸やスプーンに血液が付着するかもしれないので、別に下膳するように指示が出ております。下膳は他の患者さんの食器と別にする必要があるのでしょうか。また、栄養課で食器を洗浄する際にどのような加熱処理、消毒が必要となるのでしょうか。(薬剤師Y さん) [2001年第33週]


●C 型肝炎ウイルス(HCV )と食器
 ご質問に直接お答えする前に、HCV の感染について簡単に触れさせていただきます。
 通常HCV は、感染している方からの血液によって感染します。HCV が発見される前は、輸血による感染が多かったのですが、現在は輸血用製剤のウイルスが検査でチェックされているため、輸血による感染はほとんど起こっていません。輸血でなくても、感染者の血液が別の人の傷口にふれた場合には感染が起こり得ます。さらに、医療事故(針事故など)によって患者血液が体内に注入された場合にも感染が起こります。その他、薬物使用などの際に針を共有した場合にも感染することが知られていますし、非常にまれですが、性行為や母子感染によっても感染する可能性があります。
 しかし、通常は経口感染は起こらないとされていますし、食器やコップを共有することでも感染しないと言われています。
 参考までに、厚生科学特別研究事業「透析医療における感染症の実態把握と予防対策に関する研究班」平成11 年度報告書「透析医療における標準的な透析操作と院内感染予防に関するマニュアル」には以下のように記載されています。
 日常生活上の注意(B 、C 型肝炎ウイルス共通)
(1)傷、皮膚炎、鼻出血はできるだけ自分で手当し、他人に血液がつかないように注意する。血液の付着したものは密閉して廃棄し、廃棄できないものは十分に水洗する。
(2)月経時、鼻出血等の処置後は、手指を十分に流水で洗う。
(3)かみそり、歯ブラシ、タオルは専用とする。
(4)排尿、排便後は流水でよく手を洗う。
(5)食器の洗浄、衣服の洗濯、入浴は通常通りで問題ない。

 ここに書かれているとおり、食器の取り扱いは他の患者さんのものと同様に取り扱ってかまわないでしょう。もしも、明らかな血液の付着等があれば、廃棄できる物は廃棄、そうでない物は0.5%次亜塩素酸を十分しみこませたガーゼ等でよくふき取り(もちろん手袋を使用して)、通常の洗浄を行うとよいと思います。

(国立感染症研究所感染症情報センター)

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Q1: まだ麻疹にかかったことがなく、麻疹の予防接種を考えております。どのホームページを拝見しても大人の予防接種について書かれているものが見当たらず、疑問に思いメールいたしました。この先妊娠・出産を考えているので、子供などからの感染で重症になるのを避けるためにも受けておいた方がいいのでは、と思っております。私ぐらいの年でも接種が可能なのか、また可能ならば接種に適切な時期があるのか、また医療機関によってまちまちかと思いますが、費用など教えていただけますでしょうか?よろしくお願いいたします。(34 歳女性I さん) [2001年第32週]


●大人の麻疹ワクチン接種について
 結論から先に言いますと、大人であっても年齢に関係なく麻疹ワクチンを接種することは可能です。ただし、12カ月〜90カ月以外の方に接種する場合は任意接種となり、自費負担となります。
 接種後の反応は子供の場合と同じです。妊娠出産を考えられているのであれば、是非お子さまができる前に接種されることをお勧めいたします。接種時妊娠していないことが確実であること、接種後は2 カ月間確実に避妊するようにしてください。接種してしまった後妊娠が判明したり、接種後すぐに妊娠してしまったということがないように、くれぐれもご注意下さい。費用はおっしゃるとおりで、医療機関によってまちまちです。だいたい数千円の単位になります。
 現在日本各地で麻疹が流行しています。成人麻疹は子供より重症になることが多いため、ワクチンでの予防はメリットが大きいと思います。

(国立感染症研究所感染症情報センター)

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